情報科学部に入学してしまった以上、パソコンを触らない日はありません。現時点でのパソコン経験値は各々違っていて当然ですから、まだ慣れてない人はとにかく起動させてみましょう。こんなものは慣れてしまった者勝ちです。
新入生ガイダンスで紹介した内容は、情報科学部生としてはもちろん、コンピュータを使う人間として押さえておくべき最低ラインのことです。しかし、このページに書かれているようなことは、ちょっとした意識さえあれば当たり前に出来るようになることばかりです。
これは経験上実感できることなのですが、ユーザ追加は、初めて起動させたときにパスワード変更すると同時に行なうのが理想的です。
… 管理者権限をもっていると、システム上重要なファイルを捨てたり書き換えたりすることが可能になります。自分では知識があると思っていても、知らないうちにそれらのファイルにアクセスしてしまい、ある日突然不幸に見舞われる場合があります。そうした権限をもっていなければ防げたであろう悲劇を回避するためにも、一般ユーザでログインすることは重要なのです。
パソコンを使う人がUpdateをするのは、犬を散歩させている人がフンの始末をするのと同じくらい当たり前のことです。
… ウイルスは日々進化しています。しかし、その進化したウイルスの格好の餌食になる、無防備すぎる人が多すぎます。そういう人は、自分が感染していることを知らずに、他人に感染させる場合があります。自分がウイルス化する前に、日頃のバージョンアップ(Update)とバックアップで悲劇を減らしましょう。
それでも悲劇が起きた場合や、その他ソフトウェア的なトラブルに見舞われた場合に、それまでのデータをすべて破棄し、貸与されたときの状態に戻すリカバリという方法があります。但し、一度リカバリをはじめると45~60分はかかるということを心得ておいてください。RATではリカバリ手順を記した詳細なマニュアルを作成しています。
ノートPCが物理的に損傷した場合にPCメーカーに修理を依頼することが出来ます。が、1ヶ月とか普通に返ってきませんので、代替できるノートPCを持ってない人は長期の休みを利用するしかなくなるのが現状です。なので、取り扱いは慎重に。コワレモノ注意。
言うまでもないことですが、メールチェックは毎日するものです。それは、教授やTA、RAT、プロジェクトメンバー等から、授業やプロジェクトに関わる重要なアナウンスがメールで流されることも多いからです。
ラボ教室では設定上の都合でThunderbirdというフリー(無償)のメールソフトを導入していますが、毎日使うものでもあることを考えると、Vectorなどで、もっと使いやすいメールソフトを探すのもいいでしょう。ネットさえ繋がればメールソフトを使わないでもメールのやり取りが出来るActive! mail 2003(情報センター提供)を利用することも出来ます。
メールソフトによって指定できるオプションは実に様々だと思いますが、
最低でも上記のようなオプション設定が出来るメールソフトが望ましいです。特に設定*2に関しては、ウイルス感染・アドレス収集などの死活問題に発展するので、HTMLメール対応ソフトを使う場合は死ぬほど慎重になるべきです。(個人的にはnPOPQを愛用しています。)
Outlook (Express)は、デフォルトでHTMLメールが有効になっていたり、添付ファイルを勝手に実行したり、感染したらしたでアドレス帳の片っ端から勝手にウイルスメールを送りつけたりとなかなか危険なことをやらかしてくれます。個人的には、友達に使って欲しくないメーラ第1位です。
どんなメールソフトを使うにしても
これらは、メールのやり取りをするための必要最低限の設定です。
詳しいことは、各メーラに付属のヘルプを参照しましょう。
プライベートで書くメールは送信すれば当たり前に読んでもらえますが、相手が教授や会社の場合、自分の書き方次第では開封さえしてもらえずにゴミ箱行き、ということも十分ありえます。つまり、読んでもらうための工夫をする必要があるのです。といっても難しいことはなく、ちょっとした心遣いとマナーを覚えれば恐れることは何もありません。
メールを送るときに氏名・学籍番号を明記するのは死ぬほど当たり前ですが、件名と添付についてはどうでしょうか?
1日に扱うメールの量は人によってさまざまですが、教授など一日に数百通単位のメールを扱う人にとっては、件名の有無は破棄を決める重要な判断材料です。
また、メールに添付されているファイルはまずウイルスに感染していると疑う/疑われるのが自然ですから、添付メールを送る際は、ファイルの種類・大きさ・名前などを明記するなどして、確実にメールを読んでもらう工夫をする必要があります。教授にメールを送ったのに未開封のまま捨てられた、ということのないようにしたいものです、時には単位がかかってきますから...
しかしながら、開封してもらえたとしても、内容次第で捨てられかねないメールと言うものがあります。
たとえばラボで作業していて異常が起き、マシンを変えてもダメ、よくある質問とその回答などを見ても解決できず、RATにメールを送る羽目になった場合:
To(宛先): RAT Subject(件名): ラボのコンピュータについて 本文: Linuxがおかしいので直してください。
のようなメール。しかしこれだけではRATとしても、どこの何を調べれば良いのか判らないので、
何番のマシンがおかしいですか?1台ですかそれとも全台ですか?
何をしていて(どんなソフトを使っていて)、どんな異常が起こったのですか?
エラーメッセージは出ましたか?どんなメッセージが出ましたか?
と聞き返さなければならず、二度手間になってしまいます。そこで、
To(宛先): RAT Subject(件名): ラボ2のコンピュータについて 本文: RATメンバーへ。 00k0000の△△です。 ラボ教室のLinuxにログインしたところ、ターミナルの表示が以前と異なって -bash-2.05b$と表示されました。これは、どこかおかしいのでしょうか? また、どのマシンにログインしても同様の症状がでました。 友人のアカウントでは正常に表示されています。 よろしくお願い致します。
など書けば、確実に相手に
という確実な情報が伝わるため、相手は直ぐに対応できます。
今後の社会生活のためにも、判りやすいメールを書くよう、心がけましょう。
ちなみにエラーメッセージは非常に重要な情報を提供してくれています。
プログラミングをしていてエラーが出た場合、そのエラーメッセージをそのままGoogle検索バーにいれてみると大抵、同じエラーにぶつかった先人がいることがわかりますよ。
お互いに離れたコンピュータ間のネットワークを介した通信方法として、従来telnetやftpというものが使われていますが、これらはネットワーク上をデータが平文で流れるため、パスワードなどを盗むことが容易です。そこで、認証と通信を暗号化し、その暗号化された安全な経路を使ってデータのやり取りを出来るようにしたプログラムが開発されました。それがSSH(Secure SHell)です。
このSSHの認証に使われているのが、公開鍵暗号方式と呼ばれるものです。
この公開鍵暗号方式とは、通信するデータを「公開鍵」でロック(暗号化)し、「秘密鍵」でオープン(復号化)するというものです。公開鍵はリモート(接続先)に置き、秘密鍵はローカル(接続元)に置きます。公開鍵はロックするためだけの鍵なので、暗号化ツールがあれば誰でも暗号化することが出来ます。しかし公開鍵Aでロックされたデータは、秘密鍵A以外の鍵ではオープンできないのです。秘密鍵を公開してはいけないのはそのためです。さらに秘密鍵はそれ自体が既に暗号化されており、そのままでは使えません。これを復号化するのが、鍵を作るときに設定した「パスフレーズ」です。
1対の鍵は互いに対応するものですが、公開された公開鍵から秘密鍵を特定することはまず不可能なので安心して公開してください。現実的に言えば、公開鍵Aから秘密鍵Aを特定される危険性よりも、秘密鍵Aが書き込まれたリムーバブルメディア(フロッピーやCD-ROMなど)を物理的に盗まれる危険性のほうがはるかに高いのです。とにかく秘密鍵は見せても見られてもいけません。ネットワークを経由させるなどもってのほかです。徹底して自己管理してください。
SSHの利用できる環境で、ファイルを暗号化して安全にファイルのやり取りを可能にするコマンドです。
しかしコマンドだけでファイル操作するのは慣れない人間にとっては結構苦痛です。WinSCPは、SCP操作をコマンドではなく、見た目にわかりやすくファイル操作できるフリーのクライアントソフトのことです。但し、日本語(全角文字)には対応していないので、ファイル名は日頃から半角英数字でつける習慣をつけておきましょう。
とにかく何を使うにもパスワードを設定しなければなりません。ここで述べたものだけでも、
その他、個人的に使っているメールアドレスのパスなど、かなりの数のパスを管理することになります。これら全てに共通のパスを使うなとはいいませんが1個崩れると芋づる式に崩れるので、安全面からは推奨できません。
しかし、何種類ものパスワードなんて覚えてられないから、と言って紙にメモしておく人がいますが、パスワードの管理方法としては本当は不適当です。なかなかむずかしいところですが、自分の情報は自分で守るしかありません。頑張りましょう。
インターネットにつながったパソコンがあれば、ある程度までは何でも勉強できてしまう時代です。そんな時代に、大学で勉強する意味があるとすれば、それは一体なんでしょうか?
情報科学部では1年次から専門科目を学ぶことができ、理系の学生が最も苦手とする第2外国語もありませんし、工学部に比べると授業のコマ数にも余裕があります。
こうした環境に甘んじるのは個人の自由ですが、逆に、自分のやりたいことを見つけるための時間を与えられたと考えてみてはどうでしょうか?サークルもよし、自学もよし、資格取得もよし。4年間の大学生活は、自分自身への投資期間です。将来、得をするのも損をするのも自分自身というわけです。「やりたいことが見つからない」と嘆いたまま何もしなければあっという間に就職活動が始まってしまいます。勉強に限ったことではありませんが、食わず嫌いをせずに、とりあえずなんでもかじってみてはどうでしょうか。そして、情報科学部生としては、気になったことはとりあえずGoogleで。