LaTeXの書き方
lin
概要
数学記号や、数式、ギリシャ文字などの特殊文字を使う文や、
PDFの作成に便利なLaTeXの書き方をご紹介します。
記事を書く際の拡張子は、.texを使うようにしてください。
インストール
Windows環境では、下記のアドレスを参考にインストールを行ってください。
Linuxの場合は、tetex等をインストールしてください。
CentOS5の場合は
yum install tetex*
でインストールを行うことができます。
書き方
改行
\\
四則演算
演算子 | 表記 |
* | \times |
/ | \div |
≡ | \equiv |
≠ | \neq |
記号
記号 | 表記 | 記号 | 表記 | 記号 | 表記 |
∞ | \infty | ∀ | \forall | ∃ | \exists |
l | \ell | v | \surd | partial | \partial |
∠ | \angle | \ | \backslash | club | \clubsuit |
diamond | \diamondsuit | heart | \heartsuit | spade | \spadesuit |
φ | \emptyset | ♭ | \flat | natural | \natural |
♯ | \sharp |
ギリシャ文字
表示 | 記法 | 表示 | 記法 | 表示 | 記法 |
α | \alpha | β | \beta | γ | \gamma |
δ | \delta | ε | \epsilon | ζ | \zeta |
η | \eta | θ | \theta | ι | \iota |
κ | \kappa | λ | \lambda | μ | \mu |
ν | \nu | ξ | \xi | ο | \o |
ρ | \rho | σ | \sigma | τ | \tau |
υ | \upsilon | φ | \phi | χ | \chi |
ψ | \psi | ω | \omega | π | \pi |
varepsilon | \varepsilon | vartheta | \vartheta | varpi | \varpi |
varrho | \varrho | varsigma | \varsigma | varphi | \varphi |
- 大文字の場合は最初の一文字を大文字にしてください。(例:\Alpha)
ギリシャ数字
\hspace{-.1em}
- ギリシャ数字のプリセットは存在しないので、IとVを組み合わせて作成します。
- \hspace{-.1em}でちょうどよい幅になります。
括弧
表記 | 表示されるもの |
\{ | { |
\} | } |
\lfloor | └ |
\rfloor | 」 |
\lceil | 「 |
\rceil | ┐ |
\langle | < |
\rangle | > |
表記 | 備考 |
\left( | 標準の(表示します。 |
\right) | 標準の)表示します。 |
\bigl( | 標準+1の(表示します。 |
\bigr) | 標準+1の)表示します。 |
\Bigl( | 標準+2の(表示します。 |
\Bigr) | 標準+2の)表示します。 |
\biggl( | 標準+3の(表示します。 |
\biggr) | 標準+3の)表示します。 |
\Biggl( | 標準+4の(表示します。 |
\Biggr) | 標準+4の)表示します。 |
表記法
段落分け
,段落,書き方
,段落,\paragraph{名前}
,小段落,\subparagraph{名前}
パート分け
,パート,書き方
,部,\part{名前}
,章,\chapter{名前}
,節,\section{名前}
,小節,\subsection{名前}
,小々節,\subsubsection{名前}
番号分け
\setcounter{<パート>}{<数字>}
- {<パート>}に番号付けをしたい部分の名前、{<数字>}にパートの番号を指定します。
引用
\begin{quotation}
~
\end{quotation}
\begin{quote}
~
\end{quote}
先頭が・の箇条書き
\begin{itemize}
\item aaa
\item bbb
\item ccc
\end{itemize}
- {itemize}セクションに\item <任意の文字>と書くことで箇条書きを行えます。
- \begin{itemize} ~ \end{itemize}の間であればいくつでも書くことが可能です。
連番付け箇条書き
\begin{enumerate}
\item aaa
\item bbb
\item ccc
\end{enumerate
- {enumerate}セクションの場合\item <任意の文字>と書くと、連番つき箇条書きになります。
- {itemize}と同様に、{enumerate}セクションの間ならいくつでも書くことができます。
見出し付き箇条書き
\begin{description}
\item[その1] aaa
\item[その2] bbb
\item[その3] ccc
\end{description}
- {description}セクションの場合[]に指定した見出しをつけることができます。
- {itemize}と同様に、{description}セクションの間ならいくつでも書くことができます。
list記法
\begin{list}{<見出し>}{<初期設定>}
\item
\item
\item
\end{list}
- 見出しに指定した物を先頭にだすリストを作成します。
表記法
\begin{tabular}{<表示設定>}
& & \\
& & \\
& &
\end{tabular}
- を使って指定し、列の数だけ宣言します。
- 表の縦線を表示する場合は、表示設定を|l|c|r|のように、|を列の設定の間に書きます。
- 横線を表示する場合は、\item の間ごとに\hlineを書くことで行います。
- セルを区切る文字は&です。
複数のセルにまたがる場合
\multicolumn{またがる列数}{列指定}{中身}
\begin{tabular}{|l|c|r|}
\hline
\multicolumn{3}{|c|}{1}\\ \hline
\multicolumn{2}{|c|}{2} & 3 \\ \hline
4 & 5 & 6 \\ \hline
\end{tabular}
- またがる列数でマージする数、列指定は表と同じような表示指定、中身は表に普段書くように書いてください。
\cline{罫線を引く最初のセルの列数(左から数える)-最後のセルの列数}
\begin{tabular}{|l|c|r|}
\hline
& 1 & 2 \\ \cline{2-3}
3 & 4 & 5 \\ \cline{2-3}
& 6 & 7 \\ \hline
\end{tabular}
表に名前をつける
\begin{table}[<表示位置>]
\caption{表の名前}
\end{table}
h | その場所に表を表示 |
t | そのページの一番上に表を表示 |
b | そのページの一番下に表を表示 |
p | 違うページに表示 |
枠の表示
\documentstyle[fancybox]{jarticle}
\documentclass[]{jarticle}
\usepackage{fancybox}
- というように、「fancybox」を最初の[]の中に書き込むか、\usepackage{fancybox}を書く必要があります。
- ただし、fbox{}の場合、「fancybox」は必要ありません。
角付枠
\fbox{普通の枠}
二重枠
\doublebox{二重の枠}
角丸枠
\ovalbox{丸みのある枠}
角太丸枠
\Ovalbox{丸みのある太枠}
影付枠
\shadowbox{影付の枠}
タイトルつきの枠
\documentstyle[ascmac]{jarticle}
\documentclass[ascmac]{jarticle}
- というように、「ascmac」を最初の[]の中に書き込む必要があります。
\begin{itembox}{<タイトル名>}
<内容>
\end{itembox}
図の参照方法
参照するもの | ラベル | 参照コマンド |
図 | \label{fig:名前} | \ref{fig:名前} |
表 | \label{tb:名前} | \ref{tb:名前} |
数式 | \label{eq:名前} | \ref{eq:名前} |
章・節 | \label{sec:名前} | \ref{sec:名前} |
ページ | \label{名前} | \pageref{名前} |
参考文献 | \bibitem{名前} | \cite{名前} |
画像の添付
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\epsfile{file=<ファイル名>,width=1.0\hsize}
\caption{}
\label{fig:}
\end{center}
\end{figure}
- widthを0.5にすると半分のサイズで表示されます。
- 複数個続けて表示する場合は、上記の雛形を複数個書いてください。
書体指定
roman
{\rm Roman}
斜体
{\it Italic}
SmallCaps
{\sc SmallCaps}
Empatic
{\em Empatic}
Slanted
{\sl Slanted}
Typewriter
{\tt Typewriter}
太字
{\bf Bold}
SansSerif
{\sf SansSerif}
文字サイズ
最小
{\tiny 大きさ size}
scriptsize
{\scriptsize 大きさ size}
footnotesize
{\footnotesize 大きさ size}
small
{\small 大きさ size}
normalsize
{\normalsize 大きさ size}
large
{\large 大きさ size}
Large
{\Large 大きさ size}
LARGE
{\LARGE 大きさ size}
huge
{\huge 大きさ size}
Huge
{\Huge 大きさ size}
書体の詳細指定
通常の文字
normal
\begin{eqnarray}
x
\end{eqnarray}
-
太字(ベクトルなど)
- アルファベットや大文字のギリシャ文字だけ太くします。
\begin{eqnarray}
{\bf x}
\end{eqnarray}
太字
- 「\bf」と違いすべての文字、記号を太くします。
- また、字体も「\bf」と少し違います。
- $に挟まれている部分が太字になります。
\begin{eqnarray}
\mbox{\boldmath $x$}
\end{eqnarray}
斜体のキャンセル
- 数式内では文字が斜体になりますが、それをキャンセルします。
\begin{eqnarray}
x_{\rm max}
\end{eqnarray}
斜体のキャンセル2
- 上記のものと同様に、数式内で文字が斜体になるのをキャンセルします。
\begin{eqnarray}
x + {\rm const}
\end{eqnarray}
関数表示
通常の表示
\begin{eqnarray}
H(x)
\end{eqnarray}
斜体のキャンセル
- 関数は通常、斜体にしないので斜体をキャンセルします。
\begin{eqnarray}
{\rm H}(x)
\end{eqnarray}
ちょっと変わった文字
\begin{eqnarray}
{\cal H}(x)
\end{eqnarray}
関数用イタリック
- diffなどのような1語になったものは文字間を小さくして表示します。
\begin{eqnarray}
{\it diff}(x)
\end{eqnarray}
汎用関数表示
関数名 | 記法 | 関数名 | 記法 | 関数名 | 記法 |
arccos | \arccos | arcsin | \arcsin | arctan | \arctan |
arg | \arg | cos | \cos | cosh | \cosh |
cot | \cot | coth | \coth | csc | \csc |
deg | \deg | det | \det | dim | \dim |
exp | \exp | gcd | \gcd | hom | \hom |
inf | \inf | ker | \ker | lg | \lg |
lim | \lim | liminf | \liminf | limsup | \limsup |
ln | \ln | log | \log | max2 | \max |
min | \min | Pr | \Pr | sec2 | \sec |
sin | \sin | sinh | \sinh | sup | \sup |
tan | \tan | tanh | \tanh |
\begin{eqnarray}
a \bmod b
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
\pmod{a}
\end{eqnarray}
関数の表示サイズ
{\scriptstyle <関数>}
- {\scriptstyle <関数>}で関数を通常より小さいサイズで表示します。
- {\scriptscriptstyle <関数>}と書くことでさらに小さく表示できます。
筆記体
{\cal <アルファベット>}
- {\cal}の中に書くことでアルファベットを筆記体で表示します
特殊文字
\verb||
\verb*||
\begin{verbatim}
\end{verbatim}
\begin{verbatim*}
\end{verbatim*}
間
使用可能な単位
単位 | 一般名 |
cm | センチメートル |
mm | ミリメートル |
in | インチ |
em | 大文字のMの幅 |
ex | 小文字のxの高さ |
pt | ポイント |
pc | パイカ(1pc=12pt) |
bp | ビッグポイント(72bp=1in) |
dd | ディドットポイント(1157dd=1238pt) |
cc | シセロ(1cc=12dd) |
sp | スケールドポイント(65536sp=1pt) |
[\1.0cm]
\hspace{<サイズ>}
数式
上付き数字
^{}
下付き数字
_{}
角度
45^\circ
複数行の数式
\begin{eqnarray}
x &=& a( b + c) \\
x &=& ab + ac
\end{eqnarray}
- {eqnarray}内で &=&を=の特殊文字として表示し、複数行の数式をかくことができます。
- 番号付けをしたくない場合、 \nonumberを数式の先頭に書いてください。
演算記号
和記号(Σ)
\begin{eqnarray}
\sum^{}_{}
\end{eqnarray}
積分記号
\begin{eqnarray}
\int_{}^{}
\end{eqnarray}
二重積分
\begin{eqnarray}
\int\!\!\!\int
\end{eqnarray}
- \int を二個書くと離れすぎるので、\!で調整して表示します。
数式
分数
\begin{eqnarray}
\frac{<分子>}{<分母>}
\end{eqnarray}
- \fracで分数の表示をできます、中にどのような数式をいれることもできます。
ルート
\begin{eqnarray}
\sqrt[<乗数>]{\mathstrut <数式>}
\end{eqnarray}
- \sqrtを使うことでルートを表示できます。\mathstrutを書かなかった場合、ルートの表示が崩れることがあります。
ベクトル
\begin{eqnarray}
\overrightarrow{\rm <記号>}
\end{eqnarray}
- \overrightarrowで \rm <記号> に指定したものの上に→を引いて表示します。
組み合わせ
\begin{eqnarray}
{}_<記号>C<記号>_
\end{eqnarray}
- nCk としたい場合は、{}_nC_kと表記します。
順列
\begin{eqnarray}
{}_ P _
\end{eqnarray}
- nPkとしたい場合は、{}_nP_kと表記します。
重複順列
\begin{eqnarray}
{}_ \Pi _
\end{eqnarray}
- nΠk としたい場合は、{}_n\Pi_kと表示します。
数列
\begin{eqnarray}
\left[
\begin{array}{ccc}
& & \\
& & \\
& & \\
\end{array}
\right]
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
\left[
\begin{array}{ccc}
1& 2&3 \\
4& 5&6\\
7& 8&9 \\
\end{array}
\right]
\end{eqnarray}
縁つき行列
\begin{eqnarray}
\bordermatrix{
& & & \cr
& & & \cr
& & & \cr
& & & \cr
}
\end{eqnarray}
- 行列と同様に使います。行と列に数字をつけて表示します。
極限
\begin{eqnarray}
\lim_{}
\end{eqnarray}
- \lim_{<極限>}<数式>の形で書きます。
- \lim_{x \to \infty}のように使用します。
場合わけ
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
ax^{i_1}y^{j_1} *> bx^{i_2}y^{j_2}\\
(i_1 > i_2 \; または \;i_1=i_2 かつ j_1 > j_2 のとき)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
- 場合分けを表示する場合の書き方です。例を参照してください。
線表示
アンダーライン
\begin{eqnarray}
\underline{<文や数式>}
\end{eqnarray}
オーバーライン
\begin{eqnarray}
\overline{<文や数式>}
\end{eqnarray}
出力
- latex <*.tex> [出力ファイル名]
- *.texをdviにして出力
- platex <*.tex> [出力ファイル名]
- latexの日本語対応版
- dvips -Ppdf <*.dvi> [出力ファイル名]
- *.dviをpsにして出力
- pdvips -Ppdf <*.dvi> [出力ファイル名]
- dvipsの日本語対応版
- ps2pdf <*.ps> [出力ファイル名]
- *.psをpdfにして出力